佐藤直曉リーダー研究所のリーダ育成|人間行動学で人間が見えるリーダー育成

人間行動学に基づくリーダー育成

人間行動学に基づくリーダー育成

人間行動学が目指すのは「人を観て法を説けるようになること」です。相手の性格、価値観、またバックグラウンドに応じて、自在に適切な指導を行う能力を獲得することです。

リーダー研究所では、リーダーがメンバーを指導するさい、個々人にあった的確な指導ができることを目指しています。つまり、指導を相手によってカスタマイズできるようにしたいのです。そして、このようなことができるリーダーを一人でも多く育成することが当研究所の目標です。

そのために、「人間を観る」能力をつけることを目指します。


人間行動学とは個人指導のための理論

カスタマイズとは、簡単にいえば、より緻密な個々人に応じた的確な指導のことです。そのための理論を人間行動学としてまとめています。

もし、あなたに困った部下がいて、彼を承認することでなんとか動機付けしたいと思っても、ではいったい何をどうほめたらよいのでしょう。

ほめるときには、実は相手にぴったりくる「ほめ言葉」でないと、相手は動かないのです。ここで多くの方が壁を感じるはずです。

ここからはまさしく、カスタマイズの世界です。

個々人の特性を考慮し、その人にふさわしい言葉かけをしないかぎり、相手はけして動かされません。

ところが、それに対する「使える心理学的理論」を私は見たことがありません。

この問題に解答を与えるのが、リーダー研究所の人間行動学であり、L研スクールで販売しているメールセミナーや関連資料です。

従来の理論との違い

リーダーシップの理論では、心理学がしばしば用いられています。有名なものには、マズローの欲求段階説があります。

マズローは、人間の欲求を生理的欲求から自己実現の欲求まで、五段階に分け、人間は自己実現の欲求に向かって成長すると説明しています。これは優れた理論ですが、個人の指導を行うために現場で使うには目が粗すぎます。

また、もっと個別な心理特性、動機付けなどを分析した心理学の理論もあります。この種のものには、たとえばフット・イン・ザ・ドア・テクニックといったものがあります。

この理論はマーケティングではよく知られているテクニックです。セールスマンが片足を入れてドアが閉まらないようにしてしまえば、もう売ったも同然だというところから来ています。

たとえば、顧客にとって心理障壁が比較的低い少額な商品をまず売って、顧客から信用を得たのち、より高額な商品を売るようにするといったことです。

こういった話は、えてしてハウツウレベルにとどまる傾向が強いのですが、より理論的にまとめたものとしてはロバート・B・チャルディーニの『影響力の武器』があります。

それから、おそらくもっとも多くの人に読まれているのが、デール・カーネギーの『人を動かす』ではないでしょうか。カーネギーのあと、似たものがほかにもいろいろ出ています。

モチベーションの分野では、この類がもっとも利用されていると思われます。しかし、よく考えてみれば、これらの理論はいずれも一般論です。

たとえば、カーネギーは「相手を認めよう」というようなことをしきりに言っております。これは「ほめる」ことにもつながります。

ここまでは、誰でも納得することでしょう。ところが、ここから先が問題なのです。どう言ってほめればいいのかです。


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個々人への対応を人間行動学で考える

一般的な人間分類

困ったリーダーをタイプ別に分類して、それぞれについて対応を考える――ビジネス雑誌などにはよくそういう記事があります。しかし、その分類のしかたは私のイメージとは少し違います。

たとえば、よくあるのはこんな感じです。


  • 能力のあるワンマン上司
    部下のことを未熟者扱いして、何を言っても耳を貸さない上司。企画を出してもけなすばかり。自分が「スター」でないとイヤなんです。実力はあるので、上司と肩を並べられるくらい高いレベルにこちらも達する努力が必要だそうです。
  • 能力のないワンマン上司
    間違いを指摘するとムキになる上司。自分に自信がないから虚勢をはっている。でもやりこめるとかえってたいへん。上司を信頼しているように装って、上司に自信をつけさせることだそうです。そうして、こっちの言うことに耳を貸すようにもっていくのがよいそうです。
  • 自分の意見がない上司
    部下の案が上司から反対されると、ころっと態度が変わる上司。それに対して部下が反論すると、またころり。信念も責任感もない上司。こういう上司には「反論されたらこう答えるんだ」と役人が政治家に指南するような虎の巻まで用意しないといけないそうです。

人間行動学によるカスタマイズの例

上の例は、雑誌などでよく見かける問題上司のタイプとその対応法です。

私はこのような対策はとりません。もちろん結果的に同じような対応になることはありますが、アプローチは異なります。

では、私の主張する人間行動学では、これらの問題をどう扱うのでしょうか。

私がお勧めするのは、まず上司に好かれることです。上司に好かれれば何事もスムーズに運びやすくなるのは当然です。

ただし、好かれるといっても、こびへつらうというようなことではなく、上司がどういう行動をとる人かを分析し、上司のやりやすいようにこちらで対応して行動するというだけの話です。

また、あなたが上司について「この人はそういう人なのだ」と理解することはあっても、別に上司を好きになる必要はありません。

以下、上のタイプ別に簡単に示していきます。


能力のあるワンマン上司

この上司がどういう行動特性や感受性(とりあえず性格と考えてください)をもっているかを把握します。

たとえば、非常に合理的に考えるタイプか、それとも情に厚いタイプか。情に厚くて、しかも合理的な考え方をする人もたまにはおりますが、あまりいません(もちろん、そういう人なら、それなりに対応します)。

情に厚いタイプは、目下を徹底的に馬鹿にします。ただ、懐に入ってくる者は大事にする。まあ、子分にするということです。

だから、そういう上司にはこっちが子分になったと思わせればいいのです。子分になるとは、要するに褒めあげるということです。

それがイヤな人は、徹底的にこちらの努力を上司に見せつける。朝誰よりも早く出社し、誰よりも遅く帰る。このタイプの上司は、努力を評価します。ほかにも対策はいろいろ考えられますが、例ですからこれくらいにとどめておきましょう。

一方、合理的でワンマンな上司は、努力をまったく評価しません。相手にするの結果のみ。その代わり、結果さえ出せばこっちを認める。そして、利害得失で話をしないといけない。人情はまったく関係ありません。

上司がどちらのタイプかによって、対策は全然違ってきます。


能力のないワンマン上司への対策

上の説明の通り「上司に自信をつけさせ、安心して部下の言うことに耳を貸すようにもっていく」ことが必要ですが、ではどうやってそれを見つけるかが問題になります。

私は雑誌によくあるように「上司を信頼しているように装う」ようなことをする必要はないと思っています。

私のやり方は、極めて客観的ですので、あまりよけいな演技は必要ありません。こちらの目的のために淡々と実行していくだけです。

具体的には、上司の得意にしている(上司が内心得意に思っている)ことを察知して、そのことをほめ、それによって上司を認める作業を行います。

これは別に上司にこびへつらうことではありません。事実であるから、それをただ事実として淡々と扱うだけです。

(なお、このタイプはおおむね自信を失っていますから、場合によっては潜在意識教育が必要です。これに関しては拙著『リーダーの暗示学』をお読みください)

ここまでやると、はたしてどちらが上司かわからなくなりますね。もっとも、年上の上司でもあなたより子供は大勢おります。


自分の意見がない上司

このタイプも、人間行動学的にはいろいろなタイプが存在します。

まず、好き嫌いでものごとを常に考えるタイプです。好き嫌いの感情に流され、合理性を重視しない人たちです。このタイプの特徴は、とにかく責任をとりたがらないことです。

責任をとりたがらないタイプにはそれなりの対策をとらねばなりません。

たとえば、「よその会社でもやってますよ」といった具合に、どこかに逃げ道を用意しておいてあげることが必要です。さもないと反発して怒鳴り出すかもしれません。

それから、とても頭がよく、与えられた課題を極めて効率的に解決できるのに、意志決定はしたがらない人もおります。

こういう人は代替案をつくるのは得意なのですが、自分で課題はつくれない。役人とか企画スタッフに多い。このタイプは八方美人で、いつもまわりに気をつかっています。

どちらのタイプかで対応が違ってくるのは当然ですね。


以上をお読みいただけば、私の提唱している方法のイメージが少しはおわかりいただけたのではないでしょうか。

人間行動学の観点からすれば、ワンマンな上司といってもいろいろなタイプが混じっています。責任をとりたがらない人にもいろいろなタイプがいます。

現象にとらわれずに、相手の本性からアプローチを考えればいいのです。そして、それぞれに最適な対策をとれることこそ、カスタマイズの威力であり、人間行動学を学ぶ価値なのです。


個別のケースに対応する能力を養成する人間行動学

人間行動学の基礎となる理論

これまで述べてきたことは困った上司の問題でしたが、もしあなたに困った部下がいて、彼を承認することでなんとか動機付けしたいということもあるでしょう。

それにはほめること。ほめて認めることです。

そうはいっても、ではいったい何をどうほめたらよいのでしょう。

ほめるときには、実は相手にぴったりくる「ほめ言葉」でないと、相手は動かないのです。ここで多くの方が壁を感じるはずです。

個々人の特性を考慮し、その人にふさわしい言葉かけをしないかぎり、相手はけして動かされません。

そのためには、相手の価値観や行動基準を的確に把握していなければいけません。それが人間を見る力という意味です。

ところで、人間を観る力をつけるためには、有効な理論に基づいて行わなければなりません。

私自身が日ごろから学んでいて、かつ大いに実用に役立てている『体癖論』をご紹介いたします。

『体癖論』では人間を10種類に類型化し、それぞれについて骨格、姿勢、行動特性、価値観、さらには感受性(性格)を解説しています。

体癖論は野口晴哉という天才的な整体の創始者が多年の研究からまとめたものですが、この体癖論を学べば学ぶほど人間についての理解が増すことは間違いありません。私自身も日ごろから活用しており、自信をもってお薦めできます。

野口晴哉(整体の創始者で、現在の社団法人整体協会の創始者)がつくりあげた「体癖論」は、人間の身体観察から、実証的に人間を類型化しています。

人間の特徴は直立歩行ですね。その結果、他の哺乳類と違った特徴がいろいろ生じています。

特に大きいのが、腰のそりです。この反りがあるために、直立できるわけです。猫のような四足には、人間の腰にあたるカーブがありません。

この腰で上半身の重みを受け止めるわけですから、腰の負担はそれだけ大きく、腰痛は人間の構造上の欠陥ともいえるわけです。
 

野口晴哉という整体界の天才が、これについて非常におもしろい発見をいたしました。
 

五つの腰椎(腰骨は五つあり、上から腰椎1番、腰椎2番と数え、いちばん下が腰椎5番となります)のどれに重心がかかるかで、運動特性や姿勢、さらには性格まで異なることがわかったのです。

野口晴哉は、これを体癖と名づけました。

体癖論では、身体の特徴、運動特性と性格(感受性の傾向)が定義されています。

体癖論では、人間の感受性は大雑把に言って10種類あります(実はもっと複雑なのですが、初心者にはこれをまず理解することがよいと思います)。これを知っていると、対人関係などで非常に有利です。


感受性の概要
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人間行動学と戦略論との関係

戦略論は人間の特性とどうかかわっているでしょうか。

だいたい多くの戦略論というのは、あるパターンというか、公式を示したものです。

たとえば、BCGのポートフォリオ戦略を簡単に言ってしまえば、すでに成熟した業界でシェアの高い商品をもち、そこから得られるキャッシュを成長性のある分野に投資しろ、ということです。

「選択と集中」の戦略もそういう類で、弱い分野は捨て、強い分野、これから強化すべき分野に勢力を投入せよ、ということです。

もちろん、これはこれでよいのですが、現実には難関が待ち受けています。

特に日本では、事業を切り捨てようとすると、その事業部の人が猛反発します。そして、「まあまあ」といった感じで妥協してしまうことが結構あります。

日産のように、しがらみのない外人社長を投入しないと、なかなか決断はできないようです。

人間のやることは、人間行動を頭に入れないとなかなか解決できないことのように思われます。

ところが、多くの教科書や理論は、そこのところをほとんど無視しています。

無視してどうやっているのかというと、「大方の人間は合理的な行動をする」という前提で理論を構築していきます。


 人間行動学のアプローチ

私が戦略案を構築するようなときには、こういう具合になります。

リーダー育成 戦略と人間行動学

[人がどう動くか考える]→

[組織がどう動くか考える]→

[その組織や外部環境をどう変えるか考える]→

[その結果として戦略を立案する]

もちろん、現実にはこの順序どおりではなく、いったりきたりはします。

ただ、人がどう動くだろうかと考えることが、私の出発点であることは間違いありません。そして、このときベースになるのが人間行動学です。


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動画解説

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